東京恋愛専科~または恋は言ってみりゃボディブロー~

「どうしてですか?」

そう聞き返してきたつづりさんに、俺は視線を向けた。

素敵な人だと、俺は思った。

“純粋”と言うその言葉は、彼女のためにあるのではないかと思ってしまった。

今日だけじゃなくて、これから先も彼女の隣にいたい。

「あの時は大変だったねって笑いあって、思い出にすることができますから」

そう思いながら言った俺に、
「思い出ですか」

つづりさんが言った。

そう、あなたと過ごしたと言う思い出がもっと欲しいんです。

「少しずつでいいから、一緒に作りたいと思ってます」

そう言った俺に、つづりさんが驚いた顔をした。

その顔すらもかわいいと思ってしまった俺は、自覚をした。

――桜井つづりに恋をした、と。

その事実を告げるように、俺は名前を呼んで彼女の唇に自分の唇を重ねた。