「もしかしたら、光明のことを好きになったんじゃないかって」

「…えっ?」

一瞬、何を言われたのかわからなかった。

ちよみさんが副社長のことを好きになったって、どう言うことなの?

「もしそうだとしたら結婚の可能性も…と言うことで」

「噂が広まった、と言うことですか?」

私がそう聞いたら、
「そう言うことね」

社長が首を縦に振ってうなずいた。

「そんな…」

専務の娘であるちよみさんが副社長のことを好きになって、ましてや結婚することになっちゃったら…。

「ああ、泣かないで泣かないで」

社長がオロオロと慌てながら言った。

「そのことについては、光明はちゃんと否定をしているから」

社長はそう言ったけど、私はどうすることもできなかった。