「この間の休みに用事があって外出した時、買い物にきていたちよみさんに会ったらしい。

その時、ちよみさんはヒールで転んで足をくじいてしまっていたそうだ。

光明は足をくじいたちよみさんをおんぶして、彼女を病院に連れて行ったそうだよ」

社長の説明で、なるほどと私は納得した。

副社長が女の人をおんぶしていたのは、そう言うことだったんだ。

「ちよみさんを連れて行った病院先で梅里専務に会って、彼女が梅里専務の娘だったと言うことを知ったらしい」

「そうですか…」

呟くように返事をした私に、
「それに梅里専務曰く、ここ最近のちよみさんは悩んでいたらしい」

社長が言った。

「悩んでいた、ですか?」

私は聞き返した。

彼女は一体何に悩んでいたのだろうか?