東京恋愛専科~または恋は言ってみりゃボディブロー~

「ありがとうございます」

社長は頭を下げると、
「こんなことを聞くのは失礼だと思いますが…桜井さんは、どなたかおつきあいをしている方はいませんか?」
と、聞いてきた。

「は、はい?」

思わぬ質問に私は戸惑ったけれど、
「いませんけれど、何か…?」
と、彼の質問に答えた。

「あー、よかった」

「えっ、何がですか?」

ホッと胸をなで下ろした社長に、私は訳がわからなかった。

何が“よかった”って言うんですか、このじいさんは。

そう思いながらその様子を見つめていたら、
「私の息子とおつきあいをしてくれませんか?」

社長はとんでもない発言を私に落としてきた。

「…はい?」

失礼ですが、ボケているんですか?

続いてその言葉が口から出そうになったけれど、何とかこらえた。