東京恋愛専科~または恋は言ってみりゃボディブロー~

1口飲むと、
「優しい人ですね、つづりさんは」

副社長はそう言うと、息を吐いた。

「優しい人だから、心配ですよ」

そう続けた副社長に、
「えっ…?」

私は訳がわからなかった。

「だって、抱きつかれてたから…」

副社長はふてくされたように呟いた。

「そ、それは…村坂さんが酔っていたからで…でも、私も抵抗しましたよ?」

私がそう言ったら、
「見てたから知ってます」

副社長が言い返した。

「俺はまだつづりさんに触れてすらいないのに…」

副社長は呟いて、何故だかよくわからないけど落ち込んだ。

「えっ、はい?」

私の聞き間違いじゃなかったら、副社長からすごい発言を聞いたような気がする。