東京恋愛専科~または恋は言ってみりゃボディブロー~

村坂さんは私に視線を向けると、ジッと顔を見つめてきた。

「…何ですか?」

私の顔に何かついているのだろうか?

そう思っていたら、
「なーえー!」

村坂さんが私に抱きついてきた。

「違う違う!

人違い人違い!」

バシバシと彼の背中をたたいて解放を求めるものの、全く動じない。

ダメだ、酔ってる。

精神的におかしくなってる。

「なーえー、ごめんよー!

本当にごめんよー!」

「わーっ!」

唇をタコのようにしてとがらせた村坂さんの顔が近づいてきた。

もう少しで彼の唇が触れてしまいそうだと言うところで、
「いい加減にしなさい!」

その声が聞こえたのと同時に、村坂さんが私から離れた。