東京恋愛専科~または恋は言ってみりゃボディブロー~

「そんな…私も、村坂さんに迷惑をかけたなって思ってます。

私と一緒にいたせいで、産業スパイ疑惑をかけられた訳ですから」

私が呟くように言ったら、
「いや、君が悪いんじゃない。

名前だけじゃなく、どこに勤務しているのかと聞かなかった僕が悪いんだから」

村坂さんはやれやれと息を吐くと、グラスに口をつけた。

「この話は終わりにしようか。

お互い、問題は解決できたみたいだから」

そう言った後、村坂さんはパンと手をたたいた。

「あの、1つだけ聞いていいでしょうか?」

私は村坂さんに質問をした。

「苗さん――その、例の彼女とは仲直りができたんですか?」

「ああ、苗か…」

私の質問に、村坂さんは呟くように言った。