東京恋愛専科~または恋は言ってみりゃボディブロー~

「仕事の話はされなかったんですか?」

そう聞いてきた木田さんに、
「落語の話しかしていないです」

私は答えた。

「…色気がない」

悪かったな!

ボソリと毒を吐いた木田さんに、私は心の中でツッコミを入れた。

「とりあえず、村坂はお友達…と言うことでいいんですね?」

そう聞いてきた社長に、
「そりゃ、そうだと思いますよ。

だって落語の話しかしていないんですから」

木田さんはやれやれと息を吐きながら答えた。

結果的には産業スパイの疑惑は晴れたから喜びたいけど…木田さんの毒が強過ぎて素直に喜べないです、はい。

「社長、後10分で重役会議のお時間です。

今回の件は最近仲良くなったお友達と落語に行っていたと言う結論で」

腕時計で時間を確認をしながら、木田さんが言った。