東京恋愛専科~または恋は言ってみりゃボディブロー~

最上階の社長室でエレベーターから降りると、
「桜井つづりさんですね?」

1人の男に声をかけられた。

「はい…」

私が首を縦に振って返事をしたら、
「社長秘書の木田と申します」

木田さんは会釈をするように頭を下げたので、
「あ、どうも…」

私も頭を下げた。

「社長がお呼びです」

「はい…」

木田さんに案内されるように、私は社長室へと連れられた。

コンコン

重厚そうな社長室のドアを木田さんはたたくと、
「社長、桜井つづりさんをお連れしました」
と、中に向かって声をかけた。

「どうぞ」

ドアの向こうから返事が聞こえた。

あれ、何かどこかで聞いたことがあるような声だな…?

気のせいかなと思っていたら、木田さんが社長室のドアを開けた。