「...あっ、あった。」
早く出せると思って、制服のポケットに入れたのを忘れていた。





「はい。」
それを琉に渡す時、少し心が痛かった。

もし舞乙香ちゃんと琉が付き合うことになったとしたら......
私は舞乙香ちゃんを応援できるのか。何もなかったように笑顔で話せる自信がなかった。






「誰だか分からないやつに告られても嬉しくないんだけど。どこで俺のこと知ったんだろう。怖い。」

琉の口からこぼれてきたこの言葉にとても安心する私。











......そんな自分が嫌になる。