COUNT UP【完】








「改めまして、悠穂&いずみん結婚おめでとー!そして、ミッキー&ひろっぺ結婚式に呼んでくれてありがとー!そして、そしてー!實&唯ちゃん婚約おめでとー!!」

賑やかな居酒屋と言えども、最大ボリュームで乾杯コールするゆっくんにみんな苦笑しながらスタートを切った。

結婚式の日に言ってた今日が全員集合する日。
今日はゆっくんの彼女の千珠ちゃんも一緒にいる。

「ほんとみんなめでたい!ひろっぺ達なんて今年中に〜なんて言ってたのに決まってんじゃん!それに一ヶ月前につきあったばっかなのに婚約ってなに?!」

まだひとくちしか飲んでないのに絡み始めるゆっくんの額をミッキーが叩いて抑える。

「式場決まったから報告したんだろ。唯たちは付き合いが長いんだし問題ないだろ。自分が結婚出来ないからって僻むな」

確かに大学生の彼女だと将来の夢もあるだろうし、そう簡単に結婚は出来ない。
それがわかってても「ねぇ千珠、すぐにでも結婚しない?ママからはOK出てるよ?」と人目はばからず言っては千珠ちゃんを困らせるゆっくんから自分と同じ匂いがして複雑な気持ちになる。

今日はポンちゃんといずみんがこの日のために休みを取って帰省してくれて、お祝いパーティーをする。
テーブルの真ん中に二人を並べて、両サイドにゆっくんと宏ちゃん。
反対側は宏ちゃんの前に實が座って、ミッキーと千珠ちゃん、あたしと座ってる。
ゆっくんの前とかうるさいのは承知の上だけど、今日はなんだか気恥しくて實と離れていて少し助かった。

学生時代と変わらずみんなでワイワイ話せることが楽しい。
8人みんながひとつの話題で笑い合える不思議な仲間。

不思議なことに全員の左薬に指輪が付いていて少し笑えた。
狭い世界で出逢えた運命だと自分でも思う。
それは他のみんなだってそう。
これからどんどん世界は広がるのに大学という狭い世界で出逢った人と生涯を約束する。
でもそんな狭い世界でも生涯を共にしたいと思える人、一生付き合っていきたいと思える友達に出逢えたことにとても感謝してる。

「唯」

物思いにふけていると、ポンちゃんに呼ばれてハッとする。

「指輪、見せて」

そういうから左手を出すと、まじまじと眺めていずみんと笑いあった。

「なに?」
「いや、なんでも」
「なんでもなくないよ」
「實くんに愛されてるってことだよ」

いずみんが小さな声で言うから間に受けてにやにやしちゃう。

「幸せそうな顔しちゃって」
「悠穂、寂しいね」
「ちょっとな〜」

いずみんはポンちゃんの腕を撫でて慰めてる。
ポンちゃん達にとってあたしは結構な障害だったに違いないのに。
あたしが甘え過ぎてたから変にお父さんみたいな感覚なんだろうか。
いずみんも「あたしもこれで唯ちゃんの名前を聞かなくなると思うと寂しくなるよ」と言ってくれた。

「それって嬉しいことなんじゃないの?」

隣からゆっくんが鋭く突っ込むけど、いずみんは笑って「ゆっくんは悠穂と唯ちゃんの絆を知らないからそう思うんだよ。あたしはこの2人の間には入れないよ。あたしは別次元で悠穂から愛されてるから」と指輪をゆっくんに見せると「さすが、結婚した女は言うことが違うね!」と冷やかした。

「いずみん、ありがとう。ポンちゃん、もうポンちゃんいらないからね」
「いらないって言うな!」
「唯ちゃん、いらないはないよ!」

爆笑する二人を見てると本当に幸せいっぱいになる。
理解あるいずみんと、いっぱい我儘を聞いてくれたポンちゃんと、また理解ある實と一緒に生きていけるという幸せがある。
横目でちら見した實は全然こっちを見ていなかったけど、それはそれでいつものことだからいい。