河川敷から商店街まで歩いた。
いろんなことを話した。

恋愛の話は、はぐらかされたり、スルーされたり。
私のこと好きじゃないのはわかるけど、すごく笑ってくれたり、時々慈しむような目をする時がある。

もしかしたらいろはちゃんと重ねてるのかな。
でも、小篠さんが手に入るなら、ペットだとしても全く構わない。

コシノサイクルに到着した。が、小篠さんはまだ歩き出す。

「えっ、通り過ぎちゃうの?」

「おまえ送んなきゃいけないだろ」

私の家まで?
そんなの、彼氏みたいだし。
もし、パパやママが出てきて、小篠さんが怒られたらやだし。

「いいよ、悪いっ。迷惑でしょ」

「散々迷惑掛けられてんのに、今さら遠慮するのか。変な奴」

「だって……」

嫌われたくないし…。
俯いてると、小篠さんは店先に自転車を止めた。

「……まあ、本当に迷惑ならやめておくよ。とりあえず、ジュース持ってったら。例によってパインジュースだけどな」

ずんずんと店の奥に進む小篠さんに、私は迷いながらついて行った。