ぐらっとしながらも、ブランコは止まり、目線はちょうど小篠さんの下腹部に来た。
ぐらぐらと揺れ、彼の鍛えられたお腹におでこが当たった。

「あっ、ありがと…」

「そろそろ、帰ろう」

「うん…」

夕暮れ、めくれたスカート。
目の前には、小篠さん。
手は、錆びついたブランコの鎖の匂いがしてる。

土は昼間の熱を持っているけど、日陰は草木の水気が感じられる。

素足でローファーを履き、踵を踏みながら小篠さんについて行く。

ポケットから鍵を出す。

チャリンという音に小篠さんが振り返り、また歩き出した。