そして初めてのデート。



横に勇太が歩いてる。



ただそれだけで胸が高鳴るんだ。



繋いだ手は温かくて、照れて赤い頬のあたしを、



『カノン、カワイイ』



って言って、軽く触れるだけのキスをくれた勇太。



好き、好き、好き、好き。



そのしぐさ、その声、勇太のことなら何でも知りたい。



付き合うともっと欲張りになることに気付くんだね。



こうして一緒に歩くだけでも幸せなのにね。



でもあまりにも幸せだったあの頃を思い出しても、



ホントに勇太が最初からあたしを見ていてくれてたのか、



今でもやっぱり分からないんだ。