でもね、もう涙は出ないよ。



勇太の気持ちの中にもうあたしはいない。



その現実は変えられない。



ううん……ホントはね、



最初からあたしなんか、勇太の気持ちの中にいなかったのかもしれない。



それでもあの時、勇太はあたしを選んでくれた。



二人でいられた時間は、どんな結果になってもやっぱり大事な宝物なんだ。



お姉ちゃんへの叶わない恋をした勇太。



そんな勇太が大好きだったあたし。



そのあたしを大切に想ってくれるお姉ちゃん。



誰も傷つきたくないのに、それぞれが傷ついて。



でもね、あたしは思うんだ。



いつか笑ってこの想いを、思い出話に出来る時がくるのなら、



その時はきっとあたしはホントの笑顔を、



勇太に見せることが出来るんじゃないかって。



だからね、それまではもう少しだけ……。



そう、あとちょっとの間は今のまま、



このままの気持ちで、勇太を好きでいさせてほしい。



だって今はまだ、



勇太のこと、今すぐにでも『大好き』って、



思っているあたしがいるから。



この想い、今はまだ大切にさせて。






 ★~~~END~~~★