その夜、帰宅したお姉ちゃんがあたしの部屋をノックした。



「カノン、ちょっといい?」



ゆっくりドアを開け入ってきたお姉ちゃん。



サラサラの長い巻き髪に大きな瞳。



色白の肌は透き通るように白く頬だけがほんのりピンク。



そんなお姉ちゃんはあたしの自慢だった。



「何?あたし、もう寝るんだけど」



お姉ちゃんは悪くないのに、冷たい口調で接してしまう。



「なんて言うか……。藍沢君だっけ? カノンの彼氏なんだよね?? その子に今日告られちゃったんだ。あたし、びっくりしたし、冗談だと思ったから怒ったんだよ。冗談でもそんなこと言ってカノンに悪いと思わないの?ってね」



お姉ちゃんは心配そうにあたしの反応を見ているのが分かる。



あたしはお姉ちゃんを睨みつけるように見た後、



お姉ちゃんを両手で押して、部屋から出した。



「そんなの聞きたくないっ。出て行ってっ……。早く!!もうお姉ちゃんなんか顔も見たくないっ」