だから勇太?



あたしの目を見てよ。



こっちを向いて笑って見せて。



甘い言葉なんかいらない。



ただあたしだけを見つめて欲しいだけ。



勇太がこうしてそばにいてくれればそれで、それだけでいいのに。



「ゴメン。カノン、ユウリさんと二人で話したいんだ。いいかな??」



あたしを抱きしめながら勇太が言った。



どうして?



お姉ちゃんは不思議そうにあたしと勇太を見ていたね。



「何を話すの?」



と、聞いてみたけどうつむいた勇太は答えをくれなかった。



勇太……あなたの心の中を教えてよ。



あたしにはどうしても見えない。



今はどこにも勇太のあたしへの気持ちを見つけられないよ。