「カノン……」



勇太の腕の中は温かくて。



そばにお姉ちゃんがいることも忘れ、



あたしは泣きながら勇太に包まれた。



分からないよ。勇太。



勇太はあたしが好き?



あたしは勇太がいれば他には何も望まない。



だから、だから。



何か言って、勇太。



ひと言でいい。



「好きだよ」



そう言ってあたしを安心させてほしいの。



心配しすぎだよって、笑い飛ばしてみせてよ。