二人でいるのに遠い目でどこを見てたの?



あたしの笑顔から誰を想っていたの?



「カノン、あのさ、ユウリさん……卒業したら東京へ行くのか?」



あたしにはお姉ちゃんがいて。



あたし達姉妹はよく似ていた。



「お姉ちゃん??うん。東京の大学だからね。一人暮らしするんだって」



「そっか。寂しくなるね」



あたしの言葉に下を向いている勇太。



「そんなことないけど?」



「いや……なんて言うかさ……寂しくなるよ」



勇太??顔を上げて……。



こっちを見て。



ねぇ、勇太?



いつからあなたは『片想い』してたの?