「頼んだアイス、買ってきた?」




机の上にちょこんと置かれた袋を一瞥する。




「買ってきたんだけど、溶けちゃって…。」




視線を下に落としながら言う。
すると、鹿衣はあっけらかんと言い放った。




「また凍らせれば大丈夫。」




「溶けたアイスをもう一度凍らせたらダメだって聞いたことあるけど…。お腹壊しちゃうよ?」




「その時はその時。心配しなくてもいいよ。」




ね?と小首を傾げる鹿衣に軽くチョップをくらわせようと思ったが、とてつもなく抱き締めたくなったので、勢いよく鹿衣の胸にダイブした。




案の定、バランスを崩して後ろに倒れる鹿衣。私の突進を想定していなかっただろうから当たり前だ。
何だか私が押し倒してるような形になり破廉恥ともとれるような体勢になる。




「うぅぅぅぅ~、鹿衣~。」




ギュッと抱きしめる力を強めると、鹿衣の手が私の頭を優しく撫でる。