ーーーーー
「おい。なにトロトロしてんだよ。早く入れ」
結局また賭けに勝った俺は、
俺の家の前で突っ立ってる藤咲を呼ぶ。
「はいはい。おじゃましまーー…………あ。」
俺ん家の玄関に上がった瞬間、
停立する彼女。
「………なんだよ。」
「いや、なんか、……長瀬の家の匂いがするなあって」
はぁぁ?
……何言っちゃってんだ、この女。
「変態かよ。きもちわりぃな」
俺が照れ隠しでそう言った瞬間、
後ろからぶっ叩かれる。
「ってぇな!この怪力女」
なんなんだよ、この手早い女…!
ったく、可愛くねー。
「うるさい!トイレ!!!」
「は?!勝手に行ってこいよ!」
「ふんっ!!」
ふんっ!!
………って、
まぁ、こんな怒った態度でさえ、
可愛く思っちまうんだから
困ったもんだよな。
