君を忘れない~妄想の中の王子様


 私は、その痺れるような甘美な口付けに、身も心も酔いしれた。

 やっと、言えた。今まで、胸に閉じ込めて、温めていた想いを、やっと、伝えることができた。

 夢見ていたことが、現実になる。そんなことが、あるとは、思わなかった。

 今度は、忘れない。
 たとえ、この先どんなことが、あっても、きっと、忘れない。
 
 時々、不安や、現実に、押しつぶされそうになるけど、それでも、こうして人を、好きになることが、できるのだから。