イケメン王子は女の子


淳side


あいつら、教室から丸見えだし…。


しばらくすると、優がションボリしながら
教室に入って来た。

「おかえり。貴也は?」

「トイレ…」

「ふぅん。で、何でそんなに
沈んでるわけ?
美人が勿体無いぞ。」


俺は椅子に座った優の頭をポンポンと
優しく撫でながら言う。


「貴也、特別な子はちゃんと
いるんだって…」

お、となると、あいつ優に告ったのか?
いや、優を見る限りそれは無さそうだな。

「誰か聞いたか?」

「教えてくれないのよ~!!」

優はそう言い、机にうなだれる。


はぁ。
だよな。
あいつが言うわけないよな。
チキンだし。