イケメン王子は女の子

貴也side

今日も昼は淳の教室に行って
女子から弁当もーらおっ!!

っていうのは口実で、実際は
少しでも優に会いたいからなんたけどね。


心の中でぺちゃくちゃと喋りながら
淳の教室へ行くと

『淳~!!今日はあたしのお弁当
食べてね!!』

『何言ってるのよ~!!
今日はあたしーっ!!』

やっぱ淳てモテるんだよな~。

そんなことを思いながら俺は優を
チラ見し、淳と女子達の元へ駆け寄る。


「俺にも皆の弁当ちょーだいっ!!」

『たか君~!!///』

何だかんだ俺もモテるし、女子達の
弁当って旨いからついつい
貰っちまうんだよな~!!


俺が女子達の弁当を貰おうとしていると、
優が俺の裾をちょんっと掴む。

何だ?
と思い振り返ると

「た、貴也!!今日は、あたしと
屋上でご飯食べない??」

と、誘ってきた。

俺の頭は一瞬にして真っ白になり

「はい…」

としか答えられなかった。


ーーーーー


キィ…

屋上の扉が開く音。

風があって心地いいし、
滅多に人が来ないため、俺と優の
2人きりである。


「つか、優。
俺、弁当ないの忘れてた。」

ヘラヘラとしながら言う俺に対し

「…はぁ。いいわよ、あたしの少しあげる。
その代わり今度何か奢りなさいよね?///」


ん?何か、優の顔赤くね?


「別に何もなくても奢ってやるけどさ、
お前何で顔赤いの?」

「!!!///なっ、別に赤くないし…!!
早く座って食べるわよ///」

なーんか、変なのー。


俺は優の小さな弁当を少し分けてもらい
一緒に座って食べだした。

すると優が

「た、貴也は、さ…その、
好きな子とかって、いたりするの?」

と、唐突に聞いてきた。

お前だよ…なんて言えるわけもなく

「まぁ、女子は大抵皆好きだな。」

と答えてしまった。

バシッと叩かれたと思うと

「信じらんない!んもー、
真剣に聞いたあたしが馬鹿だったわ!」

と、言われる。

「ってーな、何も叩くことねーだろ!?
つか、俺特別な子はちゃんといるし…。」

顔を逸らして言う。


「だ、誰…??」


……ダメだ!!
まだ言えねー!!!
勇気が…俺に勇気がねぇ!!

情けねー…。

心の中で嘆き

「教えてあげませーん」

と、意地悪く笑い誤魔化す。

「んもー!あんたなんかその子に
振られちゃえばいいのよ!!!」

なんつー縁起でもねぇことを…。

まぁ、フラレる確率の方が高いのかもな。