イケメン王子は女の子


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昼になると女子達が弁当を持って群がってくる。

『淳ー!今日はあたしのお弁当
食べてねっ!!』

『何言ってるのよー!
今日はあーたーしっ!!!』

毎日毎日俺なんかのために
弁当を用意してくるなんて、
俺って幸せ者だな。

なーんて思ってる最中に必ず
割り込んでくるのが…

「俺にも皆の弁当ちょーだいっ!!」

『たか君~!!///』

貴也は昼になると必ず俺の教室に来て
女子達からの弁当を食べている。

ある意味弁当泥棒だ。

ま、俺も人のこと言えないけど。


そんなことを思いながら、
俺は優に目で合図を送る。

行け、今だ。

コクンと頷く優。

そして…

「た、貴也!!今日は、あたしと
屋上でご飯食べない??」


教室中が静まり返る。

それもそうだ。
校内一の美女がイケメン貴也君を
お昼に誘ってるんだから。


「と、いうことで、今日は
女子全員俺が独り占めね。」

イタズラな笑みで言う。

『キャー!!淳たら可愛い~///』


この俺がここまでしてやってんだから、
絶対うまくやれよな貴也!!!

と、優ではなく貴也に対し
心の中で爆発させる。