イケメン王子は女の子



「じゃぁ母さん、仕事頑張ってね。
学校行ってきます。」

「はーい!淳も頑張ってね!!
今日もイケメンよー!」

朝からだいぶテンションの高い母。
頭の上からハート出てるよ…

「はいはい、行ってきます…」

苦笑いをしながら部屋を出る。

ガチャ…バタンッ

「よぉ!淳、はよ!!」

「よぉ貴也。今日も朝からうるさいね。」

俺の幼馴染で、高校もバイトも一緒、
尚且つアパートの部屋も隣同士の小野 貴也(オノ タカヤ)。

貴也は俺の秘密も全部知っている親友だ。
見た目も良いし、俺と同じく、とにかく周りからの黄色い声が多い。



「王子様は今日もドライだね~」

「王子様言うな。ぶん殴るよ。」

「やだぁー、淳君たら、こーわーいー。」


キモイ。


ーーーーー


学校に着くなり女子からのお出迎え。

『あ!淳君と貴也君だよ!!』

『やばーい!今日もカッコいい~///』

女でもやっぱ言われると嬉しいんだよね~。

俺は満面の笑みで

「皆、おはよう」

と言ってあげる。

『キャー!!!!も~かっこ良すぎ~!!///』

そんな言葉が飛び交っている中、一人の
女の子が俺の前に出てきた。

リボンを見る限り、1年生かな?

『じっ淳先輩!!あ、あの…放課後、
中庭のベンチで待ってるので、
来てください!!!////』

「分かったよ。必ず行くね。」

目線を合わせて優しく言う俺。

だが、結果は皆が分かっている。

俺は誰とも付き合わないという噂があるし、
それは事実だ。

実際、付き合ったら大問題だしね。