つながり

ちょっと残念に思っている自分を不思議に思いながら家路へつく。


バスにゆられながらも、亮次さんのことを考えていた。

今どのあたりを走ってるのかな…

楽しかったな。



「ただいまぁ」
「おかえり薫。今日は件数どうだった?」

母の律子がキッチンに立ちながらあたしを迎えてくれた。

「んー、人が来なくて全然だめ。ずっと店員さんと喋ってたよ」

「まー、あそこ田舎だしねぇ。遠かったでしょ?」

一瞬、言葉につまったけど。
「うん。でもね、帰りはバイトの人が駅まで送ってくれたよ」
「へー!よかったねぇ。ほら、ごはんできたよ」




母の用意してくれたごはんをぺろっと平らげて、自分の部屋にこもる。


今日は、あの人がそろそろ帰ってくるから。



この家は、あたしの父、母、弟、母方の祖父母(父は婿養子)以外にもう一人が同じ屋根の下に住んでいる。

叔母。
母の妹。十年前に離婚して、もともと祖父母が住んでいたこの実家に祖父母とともに住んでいた。

そこへ、うちの家族が入ることになって建て替えをしたんだけど…


ちょっと複雑な我が家。