「○○駅でいいんだよね？」
「あ、はい、すいません、よろしくお願いします」

あたしがそう答えると、車はボボボボ…と重低音を響かせて、車高が低いため段差にゴトゴトしながら走りだした。


うーん、元ヤンには見えないんだけど、こんな車に乗ってるからあやしいなぁ…

なんてあれこれと亮次さんの素性について考えていたら、


「ねえ、あの店長は女の子的にどう思った？」

「え？どうって…？」


質問の意味がよくわからなかったため、おうむ返しに答えた。

あの店長についてあたしが思ったことといえば、まさしく小太り。それだけだから…

「あいつさぁ、めちゃくちゃなんだよ！吉野家の牛丼を大盛で３杯食べるんだ！
今日なんか、コンビニの弁当2つとパスタ一つと菓子パン3つも食べてた！
食べすぎっていうか太りすぎだよね！？」

亮次さんが、さらりと自分の上司である店長の悪口をおもしろおかしく話してくれた。


そこから、あたしの心もなんだかほぐれていって、車内は店長の話題でもちきりだった。