「あの!すいません!」


先程よりも大きな声で問いかけるがやはり応答がない。


私は、ウッドハウスだから誰かが住んでいるんだと思っていた。


誰も住んでいないのか……


はたまた外出中なのか。


後者の場合、もうすぐ日が落ちるからそろそろ帰ってきてもいいはず。


少し様子を見て、誰も帰ってこなければ。


また、日が完全に沈めば、申し訳ないが勝手に上がらせてもらおう。


私はそう考え、日没を待った。




あれから30分ほどたった頃だろうか。


日が沈んだ。


あたり一面は暗闇に包まれ、不気味な雰囲気をかもし出している。


ドアノブに手をかけ扉を開ける。


幸い鍵はあており、中にはいらせてもらった。


「埃も蜘蛛の巣も……ましては塵一つない……。」


と、言うことはやはりここには誰か住んでいるようだ。


机の上には飲みかけと思われる中途半端に水の入ったコップ。


使いかけのロウソク。


それに火を灯すために使われたであろうマッチ。


人が入っていた跡をそのまま残したベット……。


勝手に上がり込んでいることに申し訳なく思い、


どうしようか考えていたその時。





──後方で扉の開く音がした。