そうして、事は一件落着…。
「って、ちょっと待て!!」
今まで静かに(というか、困惑状態で)見ていた一翔がついに声をあげた。
「どうしたの、そんなに大きな声を出して」
「いや、当事者であるはずの俺だけ完全に置いてかれてんだけど!!新人教育って何だよ!説明しろよ、これ!!」
「あれ、言ってなかったっけ?」
「何も聞いてねぇよ!!」
春子の反応は、とぼけたフリではなかった。
本当に、忘れていたのだ。
そのミスを隠すかのように、小さく咳払いをする。
「黒川 一翔。…あなたを、Sクラスに任命します」
「……はっ!?」
さらに素っ頓狂な声を出してしまった一翔。
(いや、何となく勘はあったけど…)
「Sクラスって、一体何なんだよ?校舎とかも別なんだろ?つーか、何で俺が!?」
「もう!!いっぺんに喋らないでよ!!ちゃんと説明するから…」
再びため息をついて、春子は説明をし始めようとする。
その様子を見て、紫月は少し目を細めた。

