杏華に頼み事をした紫月は、講堂に入ってきた時と同じように、3人の後ろに続いて歩いていった。
「…あんたも大変ね、紫月」
そう呟いた杏華の目には、不安と心配の色が混ざっていた。
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始業式が終わっても、一翔たちはしばらくそのままの状態で座っていた。
その理由は、Sクラスが先に退場するからだ。
Sクラスが講堂に入ってきた時ほどの歓声はなかったが、やはりまわりはざわついていた。
始めに、最後に入ってきた3人が退場し始める。
そして、その後ろにはやはりあの女子の姿があった。
(…壮麗だな)
前を歩く3人は堂々としていて、歩く姿も綺麗だ。
だがやはり、その後ろにひっそりとついてくる彼女は別格だと一翔は思った。
(まぁ、だからと言ってどうこうなるわけじゃねぇけどな…)
隆之介が言ったことが本当なら、このSクラスのメンバーは大きな行事などしか目にすることがないだろう。
エリート中のエリートの彼らとは、天地がひっくり返っても同じ世界で生きることはできない。

