「そのとき偶然見てただけよ。たしか…あの子よね?あんたが見てたのって」
杏華の視線の先には、転入生用の席に座り隣の友達らしき人と話している男子生徒が。
「あたしの“センサー”には反応しなかったんだけど、あの子もしかして……?」
「…十中八九、間違いない。あの者のまわりには確かに“気”が流れていたからな。しかし…」
言葉を途中で切り、紫月は考え事をするように下を向いた。
(今までに感じたことのない…なんとも言えない違和感を、一瞬感じたような気がしたんだが…あれは一体)
「?どうしたのよ、紫月?」
急に黙り込んだ紫月を、訝しげに見る杏華。
「いや、なんでもない」
(私の勘違い…か)
そう思いなおした紫月のわきを、例の3人が歩いていく。
「…っ!!…悪い、杏華。講堂の見回り、頼めるか?」
「えぇ、いいわよ。いってらっしゃい」

