うっとりとした顔で紫月の方を見る隆之介。
「…その割には、あんまり人気じゃないんだな。その紫月っていうヤツ」
でも、あんなに名声を受けていた紫音の妹であり本人も兄に引けを取らないのに、紫月への歓声は聞こえてこない。
「前はあったらしいよ?だけど何か訳があって、今では紫月様に対する声かけは禁止。それが暗黙の了解になってるんだって」
声かけが禁止になる程の訳とはなんだろう、と少し考えてしまう。
「まぁ、それでも僕はずっと紫月様のファンだから!!」
「あっ、うん」
(って、俺に力説されてもな…)
騒々しいSクラスの登場から15分後。
なんとか時間通りに始業式は始まった。

