死神の涙




生まれてから16年、様々な“美人”には出会ってきたが、ここまでの女子は見たことがなかった。


(同じ人間とは思えねぇな…)



その女子は、さっきの祈光院 紫音のように周りの騒々しさは目に入れず、ただ3人の後ろを可憐に歩く。




そして、一翔の側を通るその時、



「っ!?」



何も写していなかったはずのその瞳が、一翔を写した。


一瞬だけ、でも、確かに。




「どうしたの?一翔くん?」


「えっ?いや…」



隆之介に話しかけられ、ハッとする一翔。


もう一度その女を見るが、その本人は何事もなかったかのように、前だけを向いて歩いて行った。


(俺の方を見たのは…勘違いだったのか?)




「…なぁ、あの3人の後ろにいる女って…」


「うん?あぁ!あの人は祈光院 紫月(きこういん しづき)様。紫音様の妹君だよ」


「へぇ…」


「綺麗だよねぇ…紫月様。確かに星羅様も他のご令嬢の人たちもきれいだけど、僕は紫月様の身にまとう雰囲気が好きなんだ」