死神の涙




「な、なんなんだよ!?」


「ほら、あれだよ」


歓声の意味が分からない一翔に隆之介が指を指す。


その先では、白い制服の軍団が堂々と真ん中の道を歩き、開いている席へ向かっている最中だった。


そして、このホールのいたるところからこんな会話が聞こえてくる。


「今日もお姿が美しいわぁ、杏華様!!」


「ほんとよねー!!ほらみて、皐様もいらっしゃるわよ」


「クールでミステリアスな玲様もいいわよねぇ…」


ホール全体が熱気に包まれる。


声をあげて騒いでいるのは主に女子だが、男子もソワソワとしている様子だ。


「これが噂のSクラスかぁ〜」


隆之介も関心しているようだが、一翔にはこれがなんなのか全く理解できない。



「…アイドルか何かか?」



「えっ、知らないの!?Sクラスのこと!!」


「あっ、あぁ…」


信じられないと顔で語る隆之介に、一翔は若干引き気味になる。




「第一学園高校は、成績順にA〜Dまで四つのクラスに分けられるのは知ってるよね?」


「あぁ。シビアなことするなって思ったからな」


生徒のやる気は出るかもしれないが、影でいじめなども起きているのではないかと一翔は想像していた。


「だけど実際、第一学園高校には学年それぞれ5クラスあるんだ。学校案内用のパンフレットにもHPにも、公になっていない隠れたクラスがある」




そう言って隆之介は白い軍団に目を向ける。



「それが、あの人たちーーSクラスのことなんだ」