死神の涙



出入り口で来賓用のスリッパに履き替え(登校初日だったため、上履きは持ってきていなかった)、二人は講堂の中へ入った。


一番右の扉を開け、ホールに入る。



ほとんどの生徒がもう座席についており、一翔たちも急ぎ気味に『転入生』という張り紙を張られた席につく。


いうまでもないが、この座席も近くの公民館などにある座席とは座り心地が全く違うものだった。


一翔は正面の時計に目を移す。


時刻は9:45。


始業式は10:00からだ。



「間に合ったみたいだね」


「あぁ。まだ来てない奴らもいるみたいだしな。あそこの一番前の方、空席が70席くらいある」


2.3クラス分くらいだろうか。

他の生徒がきっちりと座っている中、ステージ正面の三列はまだ空席のままだった。


「いや、多分あの席は…」


隆之介が何かを言いかけたその時。




ギィィーーーッ…



重い扉の開く音がして、全校生徒が後ろを振り向く。


開いたのは、ど真ん中の大きな扉。



そして、そこから中へ入ってきたのはーーー白い制服に身を包んだ生徒たちだった。



「?なんだ、あの白い軍だ…」


「「キャァァァーーッ!!」」


「ッ!?」


一翔の声をかき消すくらい大きな歓声が、ホール中に響き渡る。