死神の涙




ゆっくりと床に置き、布を開く一琉。



あらわれたのはーーー


「なんだこれ…刀、か?」



日本史の教科書などでよく見る日本刀らしきもの。


美しい紅の柄(つか)に、漆が塗られた鞘。


その鞘の部分には、金で刻まれた龍の紋章があしらってある。


一翔は、緊張しながら刀を抜く。


「これ…本物かよ…」


刀身をあらわしたその刀の刃は、地下室のわずかな光をも反射させ、妖艶に輝いていた。


切ろうと思えば、人間肉すら簡単に削げるほどのものだということが、マニアでもない一翔ですら分かるくらいだ。



「えぇ、そうよ。ここにある武器は全て本物」


春子の言葉を受けて、一翔はもう一度周りを見渡す。


主人に使われるのを今も待っているかのように、武器たちは静かに眠っているように思えた。


「親父たちは…こんな場所を作って、何をしていたんだ…?この武器のせいで、殺されたのか…?」


一翔の瞼の裏に、二人の顔が蘇る。


(俺に見せていた顔は、オモテの顔だったのか?息子にも言えないようなウラの顔を、親父たちはもっていたのか?)


「…知りたい?あなたのご両親の全てを」


ゴールの見えない思考回路に落ちる前に、春子が静かに声をかける。



「あぁ!!」


「…!」


迷いのない一翔の瞳をみて少し驚いた後、春子は柔らかに微笑んだ。