死神の涙




*****


黒川家の家は、外見は普通の一軒家よりもすこし大きいくらいで特に変わりはないが、内装は変わっている。



例えば、父である清一郎が本好きであったため専用の書斎があったり、母である美織が音楽を好んでいたことから小さなスタジオがあったりする。


地下室もその一つで両親のワイン好きから作られたものらしい。


しかし、一翔はその地下室には一度も入ったことはなかった。


存在すること自体は知っていたが、両親、特に母親からこの部屋に入ることを禁止されていたのだ。



一翔自身に興味がなかったというのもあった。



16年程この家で育ってきたが、その約束を破って中を見て見たいという好奇心や対抗心は全くもっていなかった。



それは、両親がいなくなってからも同じだ。


(つーか地下室があること自体、今まで忘れてたしな…)






父親の書斎へ入り、机の一番上の引き出しをひく。


中にはただ、少し錆びた鍵が入っていた。