「西塔くん、大丈夫だった?」

伊藤部長に先に戻るよう言われ、埜々香達の所へ帰ってきたら、木下先輩が声をかけてくれた。

「まあ、何とか、、、?」

「取りあえず、伊藤部長に任せてきたんだろう?」

新田課長が言う。

「はあ、まあ。」

「何か煮えきらないわね!
どうなったのか、詳しく教えなさいよ!!」

「木下さん、デリケートな問題だから、言えない事もあるんじゃないのか?
部長に任せて、今日の所は皆、帰ろう。
良いね?あまり、余計な事は広めないようにね。」

新田課長がやんわりと、口止めする。

俺だって、何がなんだか、分かってないんだよ。
誰か、ちゃんと説明してくれ~!!









悶々とした夜を過ごし、翌朝出勤すると既に新田課長がいて、共に伊藤部長の所へ連れて行かれた。

「当事者の君に事後報告で悪いんだけど、吉岡夏実さんは退職したから。

体調不良の依願退職だ。
ご家族が迎えにきて、実家へ連れて帰る手筈になっている。

君の前にはもう、現れないよう伝えてあるから。
次は訴えて接近禁止命令をとるって言ってあるから、もし、何かあったらすぐ知らせて下さい。