西塔章大、24歳、180センチ。
この身長のお陰で、一目で顔と名前を一致してもらえる。

一緒に入社した同期の女の子は、倉梯埜々香、22歳。
150センチしか身長がないらしく、凸凹コンビと揶揄された。

埜々香は中学生のような見た目を裏切り、仕事はテキパキと間違いなくこなし、俺の強力なライバルとなった。




俺たちの歓迎会を課で開いてくれ、新田課長の隣の席に座る。

緊張して正座をすれば、『痺れるぞ、足をくずせ』と言われた。
足をくずして楽にしろ、と言う有り難い言葉なのだと思うが、大きくて目障りだという意図が見えた。

飲み物は基本、お店の人にそれぞれが注文する方式で、俺の酒が飲めないのか!みたいな圧力などがなくて助かった。

埜々香はウーロン茶で過ごしていたようだが、俺は生ビールを飲んだ。
料理も美味しく、雰囲気も良く、この業務部が気に入ってしまった。



一次会の後の二次会はカラオケになだれ込んだが、それもお開きの時間となり、帰り仕度をしていると、木下先輩が同じ駅だとわかり、一緒に帰る事になった。

埜々香は新田課長が同じ方面だったようで、送って行くみたいだった。