そんなこんなで、しばらく先生と話してると、少しずつみんなのって来て、バスはにぎやかに

なっていった。そう思っていると、バスのドアが開き、慧くんが乗ってきた。知らなかったので

すごく、びっくりしたけど、深呼吸して、

「おはよう!慧くん。」

と声をかけると、小さな声で返してくれて嬉しかった。

園についてからも、私は慧くんと、話がしたくて、ずっと慧くんを追いかけていた。すると、お

昼前の時間、慧くんがいきなり振り返って、私の腕を噛んだ。ものすごく痛くて大泣きした。す

ると、慧くんは、びっくりしてすぐに慌てたように私に、手を出して、

「ごめんね。」

といった。私は、その慧くんの手をとって

「ごめんね〜。」

と、大泣きした。今、思えば私と、慧くんの関係は、この日が始まりだった。