…それからしばらくして、圭吾は雑炊とリンゴをむいて持ってきてくれた。

「…おいし」
「…そ?良かった」

沢山は食べられなかったが、雑炊とリンゴを少しずつ食べ、薬を飲むと、圭吾は片付けるために立ち上がると。

「…着替えた方が良さそうだな。汗かいてる。ちょっと待ってて」

「…え、あの、着替えは自分で」
「…体拭いた方がさっぱりするだろ?」

「…そうだけどって…いっちゃった」

…困惑する夕陽をよそに、圭吾はタオルと小さなバケツにお湯を入れたものを持ってきた。

「…ほら、脱いで」
「…いや、自分で」

「…大丈夫、人の体は見慣れてるから」

…えーえー貴方はそうでしょうけど、私はそんな事慣れてませんよ。

夕陽は、心の中で、叫んでみる。

「…背中だけだよ。後は、自分でしたらいいだろ?」
「…」

…確かに。背中は自分では拭けない。

「…お義母さんもまだ帰らないんだから、俺がするしかないだろ?早くして。早く寝る」

「…お願いします」

…結局、背中は圭吾に拭いてもらって、後は、自分で拭いて着替えた。

さっぱりした夕陽は圭吾に礼を言う。

「…ありがとうございました。さっぱりしました」
「…良かった。じゃあ、後は、ゆっくり寝るんだよ!何かあったら部屋においで」

そう言うと、圭吾は部屋を出ていった。

…しばらくして、夕陽の様子を見に来た圭吾は、まだ起きてる夕陽に声をかける。

「…まだ、起きてたのか?」
「…眠れなくて」

まぁ、午後からほとんど眠っていたのだ、眠くなくても仕方ない。

「…夕陽、おいで」

そう言うと、両手を差し出した圭吾。夕陽は意味がわからず首をかしげる。

「…一緒に寝よう」
「…な、ダメです。圭吾さんに風邪がうつったら困ります」

「…もぅ、四の五の言わない」
「…ひゃっ!」

また抱き上げられた夕陽は慌てる。

圭吾は夕陽を連れ、自分の寝室へ。

…困ったことだ。


圭吾に抱き締められると、安眠してしまう。

朝まで夕陽は熟睡した。