イケメン兄の甘い毒にやられてます

…点滴はまだ、半分終わったところだ。

いつ帰れるんだろうと考えていると、先程夕陽を診察した内科医が再び様子を見に来るなり。

「…点滴が終わったら帰れますよ。薬は、ここに置いておきますので。あ、バスではなく、タクシーで帰ってくださいね。マシになっても、まだまだ、倒れる危険もあるので」

そう言うと、持ち場に戻って行った。

…まだまだか。

夕陽はまた、目を閉じた。

シャッ!!

勢いよくカーテンが開いて、夕陽は驚いて目を開けた。

…明の言った通り、血相変えて、飛び込んできたのは、圭吾だった。

「…夕陽、大丈夫か?こんなことになるなら、休ませるべきだったな」

しゃがみこむなり、夕陽の手を握りしめそう言った圭吾は大きなため息をついた。

「…心配かけて、ごめんなさい。まさか、倒れるとは思わなくて」

申し訳なさそうに夕陽が言った。

「…夕陽は悪くない。点滴が終わったら帰れるんだろう?連れて帰るから、それまでここで休んでるんだよ」

「…そんな、タクシーで帰ります。圭吾さんまだ仕事中でしょう?」

夕陽の言葉に、圭吾は怒って見せる。

「…夕陽、仕事は夕陽が気にすることじゃない。外来は終わってるし、後は、入院患者を数人見るだけだから。夕陽が終わる頃には帰れる。それに、一人で帰す方が心配だ。絶対ここで待ってるんだよ、いいね?」

そういわれた夕陽は、小さく頷いて見せた。

圭吾は夕陽の頷きを確認すると、頬を優しく撫で、また、仕事に戻った。

…途中、会いたくない人物に出くわした。