イケメン兄の甘い毒にやられてます

…目が覚めた夕陽の目に映ったのは、真っ白な天井、消毒の匂い。

「…」

病院の中だと言うことに気づいた夕陽はホッとした。

腕には点滴がされていた。

「…気がついたみたいだね」

閉められたカーテンが開き、白衣を着た医者が入ってきた。

「…先生…」

目の前に現れた医者を見て、夕陽は言葉を失った。

そんな夕陽のベッド横にある椅子に座るなり、夕陽の脈拍を測ったり、目や口の中を診察していく。

「…内科医の診断は、ただの風邪だって言ってたよ」
「…さ、相良先生は外科医じゃ」

布団に顔を半分隠し、警戒する夕陽。

明は困ったように笑う。

「…ここに運んだの俺なんだけど」
「…ぇ…」

目を見開いた夕陽。

「…まぁ、俺のしたことは良いことじゃないからね。警戒されても仕方ないか」

「…仕事に戻ってください」

ありがとうも言えないで、そんなことを言う夕陽。

「…もう、戻るよ。夕陽ちゃん大丈夫そうだし」
「…」

明は立ち上がるなり、夕陽の頭を撫でた。

夕陽はその行動に、体を萎縮させる。

「…もう少ししたら、圭吾が来るよ。きっと血相変えて、勢いよくカーテンを開けるだろうね」

そう言って微笑むと、明がカーテンをそっと開けた。

「…運んでくれて、ありがとう」

夕陽のお礼の言葉に驚いて、明が振り返る。


「…助けてもらったので、お礼くらい」

目を反らしつつ夕陽が言った。

…たったそれだけの言葉がこんなにも嬉しいとは、明自身驚いていた。


「…どういたしまして、ゆっくり休むんだよ」

明はそのままその場を離れていった。