イケメン兄の甘い毒にやられてます

…明日は土曜日。

夕陽は、学校は休みだ。

…圭吾はきっと病院だろう。


…泣き疲れた夕陽は、ベッドに入る事もなく、壁にもたれたまま眠ってしまった。

…静かに夕陽の部屋のドアが開いた。

圭吾が夕陽の様子を見に来たのだ。

眠ってしまった夕陽を抱き上げると、ベッドに夕陽を運び、布団をかけた。

…頬に残る涙の痕を、指の腹で優しく撫でる。

自分がいない間に、明と何かがあったかは明白。

守ると言ったのに、守れなかった。

自己嫌悪に陥り、圭吾は拳を握りしめた。

「…圭吾さ…ごめ、なさ」

眠っている夕陽の寝言。

…また、夕陽の閉じられた目から涙がこぼれ落ちていく。

圭吾はたまらなくなって、夕陽を抱きしめた。

…。

次の日の朝、夕陽がカーテンからの朝日に照らされ、ゆっくりと目を開けた。

…片手が動かない。

夕陽がその手を見ると、固まってしまった。

…夕陽の手は、圭吾の両手に掴まれていた。

圭吾は夕陽の手を掴んだまま眠っていたのだ。

その手をどけようとするも、しっかり掴まれて離れない。

「…ん…」

圭吾が目を覚ました。先に目を覚ましている夕陽に気づくと、優しく微笑んだ。

「…夕陽、おはよう」
「…ど、して」

「…夕陽が一緒に寝るのを嫌がったから」
「…だからってそんなところで寝なくても」

夕陽の言葉に、首をふる。

「…泣いてる夕陽の傍にいたかった」
「…」

「…夕陽、昨夜、一体何があった?夕陽が何をいっても、怒らないし、全てを受け入れる覚悟はある。話してくれるね?」

夕陽は怖くて、言ってしまったら、絶対圭吾は自分を嫌いになると思って言えない。だから、首をふる。