「…彼氏の俺には泣きつけなくて、春人君には、泣きつけると?」

「…え、いや、そうじゃなくて…圭吾さん、疲れてるだろうし…私、頭よくないし、理解するのに時間かかるし、えーっと…」

モジモジしながら、言い訳を並べていく。

圭吾はため息。

「…俺、おじさんだし?」
「…えっ?!!ち、違います!そんな事思ってませんよ!圭吾さんは、お医者さんで、たくさんの患者さん相手にして、それなのに、私にまで気を遣うなんて、そんなの私が耐えれないっていうか…申し訳ないっていうか…わっ」

シドロモドロになる夕陽を引っ張った圭吾は、ぎゅーっと、夕陽を抱きしめた。

「…バカだな」
「…」

「…こんな時だからこそ、頼ってもらいたいし、頼ってもらったら嬉しい」
「…圭吾さん」

「…一晩中つきあってもいいくらい」
「…いや、そこまでは」

夕陽の言葉に、圭吾は笑う。

「…気を遣ってる訳じゃなくて、俺がしてやりたいの、だから、ほら、早く始めるぞ」
「…ぇ、あ、はい…お願いします」

…。

「…で、出来た!!」
「…なんだ、要領が分からなかっただけで、簡単に出来るようになったな」

「…うん!ありがとうございました、圭吾さん」

満面の笑みを浮かべた夕陽を見て、圭吾はまた夕陽を抱きしめた。

「…ぇ、圭吾、さん?」
「…他の男に頼るの禁止」

「…へ?」
「…夕陽が頼っていいのは、俺だけ、それから、そんな可愛い顔するのも、俺にだけ、分かった?」

…春人にヤキモチを妬いてたようだ。

夕陽は、困ったように、笑って頷くと、圭吾は夕陽に、熱ーい、キスをした。