イケメン兄の甘い毒にやられてます

机の上に、お盆を置くと、夕陽から、教科書を奪い、パラパラめくる圭吾。

「…どうした?数学苦手?ノートが全然書かれてないみたいだけど」

「…ぅん、今やってるところがなかなか理解できなくて」
「…俺でよければ教えるよ」

圭吾の言葉に、ぱぁっと明るい顔になった夕陽だが、圭吾を見れば、仕事帰りなのは、一目瞭然。

夕陽は何度も首をふった。

「…ううん、一人でなんとかやりますから!圭吾さんは、ご飯食べて、お風呂入って寝てください。こんなことに付き合ってたら、疲れがとれませんよ」

「…夕陽」

「…ほらほら、早く!」

夕陽は半ば強引に、部屋から圭吾を出すと、バタンとドアを閉めてしまった。

…あー、やっぱり、教えてもらうべきだったかな。

なんて、後悔してももう遅い。

やっぱり、わからないものは、わからない。

…その時だった。

夕陽の携帯が鳴る。

「…もしもし」
『…どう?勉強捗ってるか?』

…天の助けとは、この事か?

電話の主は、春人。

夕陽は春人に泣きつく形で、電話しながら、数学を教えてもらう。

「…うん…うん、…あぁ、なるほど、うんうん。…で?…ぇ
あ、ちょっ?!」

…大事なところで、誰かが夕陽の携帯を取り上げた。

夕陽は驚いて上を見上げる。

「…こんな時間に悪かったね。後は、俺が教えるから」
「…け、」

携帯を取り上げたのは、圭吾で、その顔は怒ってて…

夕陽はシュンとなる。

「…ど、どうして、怒ってるんですか?」

恐る恐る問いかけた。