イケメン兄の甘い毒にやられてます

…写メのおかげか、夕陽と圭吾は仲良く会話をしながら写メの話しに花が咲く。

写メを見終わりふと、二人の目が合った。

ピカッ!ガラガラ!ドーン!

暗い外が光った次の瞬間、大きな雷音。

雷が大嫌いな夕陽は、耳を押さえ目をぎゅっと瞑った。

「…夕陽、雷キライ?」

圭吾の言葉に、コクコク頷く。

その間にも何度も雷鳴が轟く。

我慢の限界。

夕陽は怖すぎて、圭吾に抱きついてしまった。

テレビの音よりも、雷と雨の音が勝る。

小刻みに震える夕陽を安心させるように、圭吾は夕陽を包み込んだ。

「…ごめんなさい」
「…どうして謝るの?」

「…だって、抱きついちゃったし…」
「…甘えなさいって言っただろ?」

…。

雷のせいで、停電になってしまった。

「…ブレーカー、ちょっと見てくるよ。すぐ戻るから、ここにいて」

「…無理、ムリムリムリ…」」

夕陽の声は今にも泣き出しそう。圭吾は少し考えて。

突然立ち上がったかと思うと、夕陽を抱き上げた。

「…圭吾さん?!」
「…ずっと一緒にいてやるから。ちょっと動くよ。落ちないように掴まってて」

真っ暗な中、いったい何処に行くのか。

圭吾は携帯の明かりを頼りに、向かった先は、圭吾の部屋。

「…圭吾さん、あの」
「…停電なら、当分電気は点かないだろうし、一緒に寝たらいいだろ?怖くない」


「…そうですけど」

…前は、眠っていたから一緒に寝ていたことすら気づかなかったけど、今は、起きてる状態だ。

恥ずかしい!でも…。


雷は一向に鳴り止まない。怖くて一人でなんていられない。