「俺も女死ぬほど嫌いだから。」


「えっ?」


「幼稚園の頃、女に集中的にいじめられてた男の子がいてそれ見てから女というものが嫌いになったんだ。」


高松くんも女嫌い?


あたしと同じ?


「だからお前が男なんて嫌いって気持ちすげぇわかるよ?」


「高松くん……」


そっか。


同じ境遇だったんだ。


「じゃあな。」

また寂しそうに笑うとあたしから
背を向け歩き出そうとした。


「高松くん!」


無意識のうちに大きな声をだしていたあたし。


なんかわかんないけど
高松くんが辛い顔をしているのは
嫌だよ。


「あたし、デート行くから
楽しみにしててね!」


初めて見せたあたしの笑顔。


高松くんはなぜか赤い顔をすると


「遅行すんなよ?」


と、笑った。



あたしはなぜかドキドキしてしまって家の中に入るとへたりと座り込んでしまった



あたし……なんで行くなんて
言っちゃったのかな?

男嫌いなのに。



だけど………


あたしと同じ境遇……そう思ったら
なんだか高松くんは信用できるかもって思ったの。