「やっぱり無理だよ。あたし……男死ぬほど嫌いなんだもん。」


高松くんは悪い人には見えないけれど
やっぱりいじめられてた時のことを思い出しちゃうんだ。



「わかったよ。」


寂しそうに遠い目をして言う高松くん


「でもデートには行ってくれねぇか?
そしたらもうお前には構わねぇから」


なんで…


なんでそんな切ない顔するの?


あたしはなぜか胸が痛んだ。


「わかった。」


あたしはそれしか言えなかった。


「送ってくれてありがとう。じゃあね。」


家に着くと早く家に入りたいと言わんばかりに家のドアを開けた。


「宇佐美。」


ドアノブに手をかけた時
高松くんがあたしの名前を呼んだ。


その声はかっこよくてどきっとしてしまう。


あたしはくるっと振り向く。